
- 学名: Felis chaus(フェリス・カウス)
- 英名: Jungle cat/Reed cat/Swamp cat
- 分類: ネコ科・ネコ属(Felis属)
- 体長: 約58〜76cm(頭胴長)
- 尾長: 約21〜27cm
- 体重: 約5〜9kg
- 寿命: 野生で約12〜14年/飼育下で平均15年・最長20年の記録

- 学名: Felis chaus(フェリス・カウス)
- 英名: Jungle cat/Reed cat/Swamp cat
- 分類: ネコ科・ネコ属(Felis属)
- 体長: 約58〜76cm(頭胴長)
- 尾長: 約21〜27cm
- 体重: 約5〜9kg
- 寿命: 野生で約12〜14年/飼育下で平均15年・最長20年の記録
- ユーラシアの水辺や草地に暮らす野生ネコ
- 脚が長く、ヨシ原や藪での狩りが得意
- 魚・カエルなども食べる“水辺も使える”ハンター
ジャングルキャットの名前と分類

ジャングルキャットの名前の由来
「ジャングルキャット」は英名Jungle catの直訳ですが、別名としてReed cat(ヨシ原のネコ)やSwamp cat(湿地のネコ)とも呼ばれます。
これは、森林よりも 湿地・河畔・ヨシ原など「水と密な草本植生がある場所」でよく見られる生態を反映した呼び名です。
ジャングルキャットなのにジャングルにいない?
名前に「ジャングル」と入りますが、熱帯雨林の奥深くに特化したネコではありません。
実際は、川沿い・湖畔・湿地・農地周辺の草むらなど、水辺+背の高い草が揃う環境を得意とします。
ジャングルキャットの分類
ジャングルキャットの学名は Felis chaus。
ネコ科の中では「ネコ属(Felis属)」に入り、いわゆる「小〜中型のネコらしい体型」のグループに位置づけられます。
Felis属での立ち位置
Felis属には、たとえば ヨーロッパヤマネコ、リビアヤマネコ、スナネコ、クロアシネコなどが含まれます。
ジャングルキャットはその中でも、水辺〜草地の縁で暮らす傾向が強い種として知られます。
ジャングルキャットはどこにいる?

ジャングルキャットの分布
分布はとても広く、東地中海〜コーカサスから、中東・中央アジア、南アジア、東南アジア、南中国にかけて確認されています。
ジャングルキャットは水辺に住む?
はい。もっとも典型的な生息地は、湿地、沼地、河畔、湖畔、ヨシ原などの“水が近くて隠れ場所が多い場所”です。
加えて地域によっては、耕作地(畑やサトウキビ畑など)のような人の暮らしに近い環境でも見られることがあります。
ジャングルキャットの見た目

ジャングルキャットの体の特徴
ジャングルキャットは「イエネコよりひと回り大きく、脚が長い」体つきが目立つ野生ネコです。
胴は細身で、草丈のある場所でもスッと歩ける“高身”タイプ。
顔はやや細長く、耳が大きめで、個体によっては耳先に短い房毛が見えることもあります。
尾は体に対して短めで、太くふさふさというよりはスリムな印象です。
水辺も得意とするジャングルキャット

水辺向きの特別な形(大きな水かき等)があるわけではありませんが、長い脚と機動力のある体で、浅瀬・湿地・ヨシ原の縁を使いこなします。
草やヨシが密な場所は隠れ場所になり、ネズミ類や鳥、両生類が集まりやすいので、狩り場として相性が良い環境です。
泳ぐ例も知られ、「水辺を避けない」のがジャングルキャットらしさです。
ジャングルキャットの柄
全体の色は、黄褐色〜灰褐色の単色寄りが基本です。
ヒョウ柄のような大きな斑点はなく、体は比較的すっきり見えます。
代わりに、脚にうっすら縞が出たり、尾の先端や背中がやや濃く見えたりする個体がいます。
模様で目立たせるより、草地で溶け込むタイプです。
ジャングルキャットの体の大きさ
体格は地域差と性差があり、オスのほうが大きくなりやすい傾向があります。
目安としては、イエネコより大きく、ヨーロッパヤマネコと同等〜ややスリムに見えることが多いです。
脚が長い分、数字以上に“背が高い”印象を与えます。
ヨーロッパヤマネコ/イエネコ/カラカルとの見分け方
- ヨーロッパヤマネコ
体がずんぐり・尾が太く長めで、輪状の縞と黒い先端がはっきり出やすい。ジャングルキャットは脚が長く、尾は短めでスリム。 - イエネコ
模様も体型も個体差が大きく紛れやすいですが、野外での同定は「体格(脚の長さ・胸の深さ)」「尾の短さ」「生息環境(ヨシ原・湿地・河畔)」をセットで見ると精度が上がります。 - カラカル
明らかに大型で、耳先の長い黒い房毛が決定的。体色も赤みが強い単色で、脚もさらに長く見えます。
ジャングルキャットの生態

ジャングルキャットは何を食べる?
主食は小型哺乳類で、地域によってメニューが柔軟に変わる機会主義タイプです。
- よく食べるものの例
- ネズミ類
- ウサギ類
- 鳥(地上性・水鳥)
- トカゲ・ヘビ
- カエルなど両生類
- 魚や甲殻類
人里近くでは家禽を襲って衝突になることもあります。
ジャングルキャットの狩りスタイル
草むらやヨシ原を歩きながら獲物の気配を拾い、距離が詰まると素早く跳びかかるスタイルが基本です。
待ち伏せもしますが、開けた環境では探し歩く狩りが多くなります。
耳が大きく、音で位置を特定して飛び込むような動きが見られるのも特徴です。
ジャングルキャットの繁殖・子育て
繁殖期は地域の気候に左右され、子育ても「人目につきにくい場所」が選ばれます。
妊娠期間は約2か月ほどで、1回の出産は2〜4頭が目安。
子どもは数か月で離乳し、成長に伴って親の行動圏から分散していきます。
野生では、環境条件(獲物の多さ・隠れ場所の密度)が子育ての成功を大きく左右します。
ジャングルキャットの脅威と保全

ジャングルキャットの保全状況
ジャングルキャットは、IUCNレッドリストでLC(低懸念) に分類されています。
一方で、地域によっては生息地の減少や狩猟圧の影響を受けやすく、特に「保護区の外」で状況が悪化しやすい点が指摘されています。
国際取引の面では CITES附属書II に掲載されています。
ジャングルキャットの脅威
脅威の中心は「人間の土地利用の変化」です。
特にインド亜大陸では、低強度の農地や藪地が都市化・工業化で失われることが大きな圧力になっています。
また、トルコなどではダム建設や灌漑事業が湿地に影響するケースも挙げられています。
加えて、農地や集落周辺でのわな・毒餌・捕獲は、意図せずジャングルキャットを巻き込み、地域的な減少につながり得ます。
ジャングルキャットとイエネコの関係
関係は大きく3つです。
- 生活圏が近い
集落周辺では獲物(げっ歯類)が増えやすい一方、わな・毒餌・駆除などの人為リスクにも近づきます。 - 感染症などの持ち込みリスク
野生側が人里を使うほど、飼い猫・飼い犬由来の病気や寄生虫の影響を受けやすくなります。 - ペット・交雑ニーズ
ジャングルキャットを家猫と交配したシャウジー(Chausie)のような品種が知られます。野生個体のペット需要や違法取引を刺激しない情報発信が重要になります。
※なお、IUCN資料では家猫との交雑は“潜在的だが未証明”の脅威として言及されています。
ジャングルキャット Q&A

Q.ジャングルキャットと会うにはどうしたらいい?
原則は野生下での偶然の出会いはかなり難しい動物です。
観察するなら、生息国の保護区や湿地周辺で、現地ガイド同行・夜間の安全配慮のあるツアーなど「ルールのある観察」が現実的です。
Q.ジャングルキャットをペットにできる?
おすすめしません。
国際取引はCITESの規制対象で、国・地域の法律でも飼育や移動が制限される場合があります。
ペット需要は違法取引の温床にもなり得ます。
Q.ジャングルキャットとイエネコの違いは?
ジャングルキャットは、脚が長く体高が出やすい・尾が比較的短め・耳が大きく先端に短い房毛が見える個体がいるなどが典型です。
毛色は全体に単色寄りで、家猫のように多彩な柄は基本的に出ません(地域差・個体差はあります)。
読者へのメッセージ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ジャングルキャットは「ジャングル」という名前と違い、水辺や草地、藪のある環境でたくましく生きる野生ネコです。
写真や映像で出会えたら、長い脚と大きな耳、短めの尾に注目してみてくださいね。
