
- 学名: Felis silvestris(フェリス・シルヴェストリス)
- 英名: European wildcat/Wildcat
- 分類: ネコ科 ネコ属 Felis属
- 体長: 約45〜65cm(頭胴長)
- 尾長: 約25〜35cm
- 体重: 約3〜8kg
- 寿命: 野生で 10〜15年程度、飼育下で 〜20年程度

- 学名: Felis silvestris(フェリス・シルヴェストリス)
- 英名: European wildcat/Wildcat
- 分類: ネコ科 ネコ属 Felis属
- 体長: 約45〜65cm(頭胴長)
- 尾長: 約25〜35cm
- 体重: 約3〜8kg
- 寿命: 野生で 10〜15年程度、飼育下で 〜20年程度
- ヨーロッパの森や藪に暮らす、野生ネコ
- 太くて短めの尾と、濃い縞模様が特徴
- イエネコに似て見えるが、警戒心が強く人を避ける
ヨーロッパヤマネコの名前と分類

ヨーロッパヤマネコの名前の由来
「ヨーロッパヤマネコ(European wildcat)」はその名の通り、ヨーロッパの森林に主に生息する野生ネコという意味合いの呼び名です。
学名は Felis silvestris で、silvestris はラテン語で「森の/森林にすむ」を指す語として使われます。
ヨーロッパヤマネコの分類
ヨーロッパヤマネコは、ネコ科Felis属に属する野生のネコで、種名はFelis silvestrisです。
同じFelis属には、スナネコ、リビアヤマネコ、そして私たちに身近なイエネコも含まれます。
見た目がイエネコにそっくりなので、「イエネコの祖先なのでは?」と思われることもありますが、イエネコの直接の祖先は主にリビアヤマネコと考えられています。
つまり、ヨーロッパヤマネコは「イエネコ化した種」ではなく、イエネコと同じFelis属にいる近縁の別種なのです。
イエネコそっくり問題
正直、写真だけ見ると「うちの飼い猫と一緒では?」ってなりますよね?
実際、ヨーロッパヤマネコはイエネコや雑種(ハイブリッド)と見た目がかなり近く、外見だけでの判定が難しいのが大きな課題です。
しかも困るのは、似てるだけじゃなくて、野外で交雑(ハイブリダイゼーション)が広く起きている点。
地域によっては「遺伝的に純粋な個体が少ないかも」という議論にもつながります。
ヨーロッパヤマネコはどこにいる?

ヨーロッパヤマネコの分布
ヨーロッパヤマネコは、歴史的にヨーロッパ各地に広く生息していました。
しかし、18〜20世紀にかけて減少・局所絶滅が起きました。その後、国によっては再定着や分布回復も見られます。

現在の分布は、ヨーロッパの一部+周辺地域(ロシア側へ連なる地域など)にかけて、いくつかのまとまり(メタ個体群)として捉えられることがあります。
分布の分断問題
ヨーロッパヤマネコのややこしさは、点在していてつながりにくいこと。
多くの地域で個体群が分断することで、以下のような問題につながります。
- 森林の連続性が切れる
- 道路や開発で移動が阻害される
- 小集団が孤立して遺伝的に弱くなる といったリスクが積み重なります。
ヨーロッパヤマネコが好む環境

基本は森林性で、特に広葉樹林や混交林、かつ下草・林縁・入り組んだ構造がある豊かな森林で多いとされます。
ただし森だけに限定されるわけではなく、地域によっては草地・ステップ、地中海性の低木林(マキ)、河畔林などにも出現します。
ヨーロッパヤマネコの見た目

ヨーロッパヤマネコの身体の特徴
森の野生猫らしく、毛が厚く(特に冬毛)、全体にがっしり見えやすいタイプです。
識別する際には以下のポイントが見られています。
- 太くてふさふさの尾
- 尾の先が丸い
- 尾に複数の黒い輪の模様+黒い先端
- 背中のはっきりした背線
ヨーロッパヤマネコの柄
体色は灰褐色〜灰色味がかった褐色系で、頭部・首・四肢に黒い縞が入ります。背中には背線が通ることが多いです。
この模様は、個体ごとにパターン差があります。
ヨーロッパヤマネコの大きさ
目安として、体重 3〜8kg、体長 45〜80cm、尾長 約30cmとされます。
ざっくり言うと「大きめの家猫サイズ」です。
イエネコとの見分け方

イエネコにそっくりな見た目のヨーロッパヤマネコですが、正直に言うと写真だけで断定するのはかなり難しいです。交雑個体も含め、外見が近すぎるからです。
ここでは、ヨーロッパヤマネコに見られる「傾向」を整理します。
- 尾が太く、先端が丸く見える(イエネコは細く先細りしにくい)
- 尾のリングが比較的はっきりしていて、先端が黒い
- 背中の背線が目立つ
- 冬毛だと特に毛量が多く、ずんぐり見える
一方、イエネコは…

最終的な判定は、遺伝的検査や複数指標が必要になるでしょう。
ヨーロッパヤマネコとイエネコの違い
見た目がよく似ていても、人との距離感と暮らし方は大きく異なります。
ヨーロッパヤマネコは野生のネコで、基本的に警戒心が強く、人里を避けて森や林縁を中心に単独で行動します。
人の気配が濃い場所では姿を消しやすく、「出会いにくさ」そのものが特徴です。
一方のイエネコは、ご存知のとおり、人の生活圏に適応して広がった存在です。
飼い猫・半野良・野良など形はさまざまですが、餌・建物・ゴミなど人が作る環境の恩恵を受けやすく、都市や集落の近くでも暮らせます。
同じ「ネコ」でも、人間社会への耐性、つまり「近づきやすさ」や、分布、暮らしぶりは別物なのです。
ヨーロッパヤマネコの生態

ヨーロッパヤマネコは何を食べる?
主食は小型哺乳類(特に野ネズミ類)です。
環境や季節によっては、ウサギ類・小鳥・爬虫類・両生類・昆虫なども利用します。
大型獲物を狙うことはなく、小さな獲物を確実に狙う捕食者です。
ヨーロッパヤマネコの狩りスタイル
基本は単独で、待ち伏せ→短距離の突進スタイルです。
森の縁や草地の境界など、ネズミが出入りする場所でじっと待ち、音や気配で獲物の位置を読むネコらしい狩りが特徴です。
ヨーロッパヤマネコの繁殖・子育て
繁殖期は地域差がありますが、子は巣穴や茂みなど安全な場所で育てられます。
子育ては基本的に母親が担い、成長すると独立して単独生活へ移ります。
ヨーロッパヤマネコの脅威と保全

ヨーロッパヤマネコの保全状況
ヨーロッパヤマネコは、IUCNでLC(低懸念)とされています。(2026年現在)
ただし、地域によっては生息地の分断や人との摩擦が強く、局所的な減少リスクが課題になります。
また国際取引の枠組みでは、条約の対象として扱われる整理もあります。
※国・地域で運用は異なります
ヨーロッパヤマネコの脅威
代表的な論点はこの3つです。
- 生息地の分断
道路や開発で「森が細切れ」になり、行き来が難しくなる - 人為的死亡
ロードキル、罠、誤射などの人間との衝突 - イエネコ由来の影響
イエネコとの交雑(ハイブリッド化)や感染症リスク
特にヨーロッパは人の暮らしが密なので、分断・事故・交雑の影響を受けやすい構図になりがちなのです…。
ヨーロッパヤマネコのハイブリッド化問題
いちばん厄介な問題が「イエネコとのハイブリッド化」です。
ヨーロッパヤマネコは見た目がイエネコに近い上に、周辺に放し飼い・野良化したイエネコがいると交配が起き、遺伝的に野生ヤマネコとしての特徴が薄れていくリスクがあります。
そのためヨーロッパヤマネコの保全では、周辺地域でのイエネコの適正飼育(屋内飼い・不妊去勢)や、地域合意のもと野良猫対策も進められています。
ヨーロッパヤマネコ Q&A

- ヨーロッパヤマネコは人になつく?
-
基本的に野生動物なので、人に慣れる前提の動物ではありません。
「見た目が猫っぽい=飼える/懐く」ではないので、むやみに近づくことはストレスを与えたり事故リスクが高いでしょう。
- ヨーロッパヤマネコとイエネコの違いは?
-
見た目は似ますが、ヨーロッパヤマネコは以下のような特徴があり、イエネコとは遺伝子観点でも明確に違いがあります。
- 警戒心が強い
- 人を避けて生活する
- 森やその周辺の野生下に生息
- ヨーロッパヤマネコをペットにできる?
-
現実的にはおすすめできません。
国際取引の枠組みで扱われることもあり、国・地域で法規制があったり許可が必要なこともあります。
野生下での暮らしを前提とした種であり、遠くから見守ることが健全な関わり方といえるでしょう。
読者へのメッセージ

ここまで読んでいただきありがとうございます✨
ヨーロッパヤマネコは、森で逞しく生きる野生のハンターでありながら、見た目がイエネコに近いせいで誤解されやすい存在でもあります。
もし写真や映像で出会えたら、「太く短いしっぽ」「素朴な縞模様」「モフモフな冬毛姿」に注目してみてくださいね。
身近な猫のルーツを想像しながら見ると、野生ネコがぐっと身近に感じられますよ♪

