マーゲイ図鑑|中南米も森にひそむ樹上ハンター

出典:Wikimedia Commons(Malene Thyssen)CC BY-SA 3.0
  • 学名: Leopardus wiedii(レオパルドゥス・ウィーディーイ) 
  • 英名: Margay/Tree ocelot 
  • 分類: ネコ科オセロット属
  • 体長: 約46〜69cm
  • 尾長: 約23〜52cm 
  • 体重: 約2.3〜4.9kg 
  • 寿命: 野生で約12〜14年、飼育下で最長22年の記録
出典:Wikimedia Commons(Malene Thyssen)CC BY-SA 3.0
  • 名: Leopardus wiedii(レオパルドゥス・ウィーディーイ) 
  • 英名: Margay/Tree ocelot 
  • 分類: ネコ科オセロット属
  • 体長: 約46〜69cm
  • 尾長: 約23〜52cm 
  • 体重: 約2.3〜4.9kg 
  • 寿命: 野生で約12〜14年、飼育下で最長22年の記録
マーゲイってどんな動物?
  • 森の樹上で暮らす木の上のスペシャリスト
  • 樹上の獲物も狙う小さなハンター
目次

マーゲイの名前と分類

出典:Wikimedia Commons(Sam Eberhard)CC BY 4.0

マーゲイの名前の由来

「マーゲイ」という呼び名は、中南米で使われてきた現地語由来の名称が、スペイン語・ポルトガル語を経て広まったものです。

学名の「wiedii」は、ブラジルで標本収集を行った ヴィート=ノイヴィート公(Maximilian of Wied-Neuwied) にちなみます。

Leopardus属での立ち位置

マーゲイはネコ科のLeopardus属(オセロット属)に属する、小型の斑点ネコの仲間です。

この属にはオセロットなども含まれますが、マーゲイはその中でも特に樹上生活への適応が強い「木の上のスペシャリスト」として知られます。

後ろ足の可動域が非常に大きく、木を頭から降りられることもあるんです。

マーゲイはどこにいる?

マーゲイの分布


出典:Wikimedia Commons(Altaileopard)Public domain

マーゲイは、メキシコ〜中南米にかけて広く分布します。

  • メキシコ:主に熱帯域〜山地の森林帯
  • 中米:ベリーズ、グアテマラなどを含む森林域
  • 南米北部〜中部:アマゾン域を含む森林地帯
  • 南米南部:ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、北アルゼンチン周辺まで

マーゲイが暮らす環境

出典:Wikimedia Commons(Abby Darrah)CC BY 4.0

マーゲイは、木がしっかり育った森で暮らす野生ネコです。

記録が多いのは、熱帯の常緑林や落葉林、山地の雲霧林など「森」と呼ばれる場所全般。

とはいえ、どんな森でも同じように住めるわけではありません。

マーゲイは木の上で過ごす時間が長いので、樹冠(木の上の層)がつながっていることや、身を隠せる下草や低木が残っていることが大切です。

こうした隠れ場所が多い森ほど、マーゲイにとって暮らしやすい環境になります。

また地域によっては、森の近くのコーヒー農園やカカオ農園で見つかる例もあり、森と農地が入り混じる場所で暮らしていることもあります。

出典:Wikimedia Commons(Garst, Warren, 1922-2016, photographer)CC BY-SA 4.0

マーゲイの見た目

出典:Wikimedia Commons(Supreet Sahoo)CC BY-SA 4.0

華奢な身体付き

マーゲイは、オセロットに似た斑点模様を持ちながら、体つきはより細身で軽やかです。

脚がすらっと長く見え、全体のシルエットは「がっしり」よりもしなやか

森の中でも特に木の上で動きやすい、俊敏な体型をしています。

樹上への適応

出典:Wikimedia Commons(Daniel Ariano-Sánchez)CC BY 4.0

マーゲイが「木の上のスペシャリスト」と言われるのは、体のつくりが樹上生活に向いているからです。

目立つのは、長めの尾と、しなやかに動ける柔軟な体

尾は、細い枝の上を歩くときにバランスを保つ役割を果たし、体勢を崩しにくくしてくれます。

さらに足まわりの可動域が大きく、木登りだけでなく枝の上での方向転換や降り方までスムーズ。

動きを見ていると、最初から「木の上で暮らす前提」で進化してきたネコだと感じられます。

柄の特徴

出典:Wikimedia Commons(Spencer Wright from North Walsham, England)CC BY 2.0

マーゲイの模様は、近縁種と見分けるうえでも重要です。

  • 体側にロゼット(輪状の斑)が出やすい
  • 模様が流れるように並ぶ
  • 背中〜体側の模様は大きめでくっきり
  • 顔に頬〜額のラインが入る
  • 尾にリング状の黒帯が入り、先端が濃く見えることがある

マーゲイの生態

出典:Wikimedia Commons(Don Loarie)CC BY 4.0

マーゲイは何を食べる?

マーゲイは肉食で、森の中で手に入る獲物を幅広く食べます。

調査では、小型哺乳類を中心に鳥類や爬虫類も多く記録されています。

  • 小型哺乳類:ネズミ類、リス類、(地域によって)小型の有袋類など 
  • 鳥類:小鳥、地上性の鳥、卵など 
  • 爬虫類・両生類:トカゲ、ヘビ、カエルなど 
  • そのほか:昆虫や果実が含まれる報告もあります(地域差あり)

マーゲイの狩りスタイル

マーゲイの狩りは「森の地面」だけでは終わりません。

枝の上を静かに移動し、獲物の気配がする場所で待ち伏せたり、距離を詰めて一気に飛びかかったりします。

樹上生活に適応した体つき(長い尾、柔軟な動き)が、そのまま狩りの強みになります。

マーゲイはサルの声を真似る?

「サルの声を真似る」として知られる有名な観察報告があります。

研究者がアマゾンで、マーゲイがタマリン類(ピエ・タマリン)の幼獣の声に似た音を出し相手の注意を引く場面を観察しました。

まだ事例は多くないものの、マーゲイの賢い狩りを象徴する話題として紹介されています。

マーゲイの活動時間

マーゲイは夜行性の傾向が強く、薄暗くなる時間帯から動きが増えます。

日中は森の中で休み、暗くなってから狩りや移動に出るリズムが基本です。

その上、行動の中心が木の上になりやすく姿が見えにくいため、記録はカメラトラップに頼ることが多いです。

マーゲイの繁殖・子育て

出典:Wikimedia Commons(Juan Cruzado Cortés)CC BY-SA 4.0

繁殖データは飼育下の情報が中心ですが、目安として次のように整理できます。

  • 妊娠期間:約76〜84日 
  • 1回の出産数:基本は1頭(まれに2頭)
  • 離乳の目安:固形物を食べ始めるのは生後約2か月前後 
  • 性成熟:おおむね生後9〜12か月で成熟の目安 

マーゲイの脅威と保全


出典:Wikimedia Commons(Brady Reed)CC0 1.0

マーゲイの保全状況

マーゲイはIUCNレッドリストで Near Threatened(準絶滅危惧) に分類され、広い分布を持ちながらも、全体としては減少傾向が懸念されています。

国によって評価が異なり、国内レッドリストでは「絶滅危惧」相当として扱われる地域もあります。

また、国際取引はCITESの枠組みで強く制限され、分布国の多くで狩猟や取引の禁止が進んでいます。

マーゲイの脅威

いちばん大きいのは、森林減少と分断です。

マーゲイは森への依存度が高く、伐採や農地化で森が細切れになると、移動・繁殖・獲物探しのすべてが難しくなります。

加えて、ロードキル、ペット目的を含む違法捕獲・取引、家禽を襲ったことによる報復的な殺処分なども脅威として挙げられます。

さらに、感染症への弱さや繁殖ペースの遅さもあり、環境が悪化したときに回復しにくい点が課題です。

マーゲイ Q&A

野生に生きるネコ科図鑑Q&A

Q:マーゲイは危険?人を襲う?

基本的に人を避けて暮らす野生ネコで、ふつうは人に近づきません。追い詰めたり触ろうとすると危険なので、見かけても距離を保つのが原則です。

Q:ペットとして飼える?

マーゲイは野生動物で、国際取引も強く規制されています。飼育は動物福祉の面でも現実的ではなく、記事では「飼わない・買わない」が基本方針になります。

Q:どこで見られる?

野外では夜行性かつ樹上生活が多く、とても見つけにくい種です。現地でも“運が良ければ”の存在で、記録はカメラトラップが中心になります。

読者へのメッセージ

野生に生きるネコ科図鑑メッセージ

ここまで読んでいただきありがとうございます。

マーゲイは、美しい模様と、木の上暮らしに適応したしなやかさを併せ持つネコです。

実際に会うことは難しいですが、もし写真や映像で出会えたら、「長い尾」「樹上での身のこなし」「大きな目」に注目してみてくださいね。

この記事が、マーゲイを身近に感じるきっかけになれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

野生に生きる「ネコ科図鑑」管理人です。トラ・マヌルネコに偏愛

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