
- 学名: Leopardus colocola(レオパルドゥス・コロコラ)
- 英名: Pampas cat / Colocolo
- 分類: ネコ科オセロット属
- 体長: 43.5~70cm(頭胴長)
- 尾長: 22~32cm
- 体重: 3~7kg
- 寿命: 野生での確定データは限られるものの、同程度のサイズのネコ科では10~15年程度が目安とされます

- 学名: Leopardus colocola(レオパルドゥス・コロコラ)
- 英名: Pampas cat / Colocolo
- 分類: ネコ科オセロット属
- 体長: 約43.5~70cm(頭胴長)
- 尾長: 22~32cm
- 体重: 3~7kg
- 寿命: 野生での確定データは限られるものの、同程度のサイズのネコ科では10~15年程度が目安とされます
コロコロってこんな動物!
- 南米にすむ、小さな野生ネコ
- 草原から山地まで、幅広く適応します
- 毛色と模様のバリエーションが豊富
- 夜行性寄りで、姿を見せにくいハンター
- 主な獲物は、ネズミなどの小動物
この記事では、コロコロの驚くべき生態から今日からできる保全活動まで徹底解説していきます✨
名前と分類
コロコロ(Leopardus colocola)は、南米に分布する小型の野生ネコで、英語では一般にPampas cat(パンパスネコ)と呼ばれます。
ただしこのグループは、地域ごとの個体差(毛色・模様・頭骨形態など)が大きく、「1種+複数亜種」と見る立場と、「複数種に分けるべき」とする立場が並行しており、資料によって扱いが揺れます。
現在、IUCN/SSC Cat Specialist Groupの整理では、パンパスネコ(= Leopardus colocola)として7亜種が提案されています。
- L. c. colocola(チリ中部・アンデス西側)
- L. c. wolffsohni(チリ北部・アンデス西側)
- L. c. pajeros(アルゼンチン中部〜南部)
- L. c. budini(北西アルゼンチン〜ボリビア・アンデス東側)
- L. c. garleppi(コロンビア南部〜エクアドル〜ペルー・アンデス東側)
- L. c. braccatus(ブラジル南西部〜中部、パラグアイ周辺)
- L. c. munoai(ウルグアイ)
参照:IUCN CatSG
一方で、形態・分子・生態などを統合した研究では、“パンパスネコ群”を複数種に分ける提案(例:5種)もあり、分類は現在も更新が続いています。
本記事では、検索されやすい呼称として 「コロコロ(= パンパスネコ)」 を基本にしつつ、分類の揺れがあることを前提に、確実に共有されている特徴と生態を中心に解説します。
見た目の特徴

- 顔:やや幅広い顔つきで、頬に2本のラインが入りやすい
- 体毛:長毛の個体も多く、背中に“たてがみ”のような背線(ドーサルクレスト)が出ることがある
- 耳:耳の裏が灰〜黒っぽく、白い斑点が見えることが多い
- しっぽ:頭胴長の約半分ほどで、濃いリング模様が入る場合がある
体色は黄白色〜灰褐色まで幅があり、無地に近い個体から、縞・斑点が目立つ個体まで多様です。
コロコロは「家猫に少し似た体つき」の小型種ですが、最大の特徴は地域によって見た目が大きく変わることです。
高地(アンデス)では灰色っぽく、赤みのある縞や斑が出るタイプも報告され、見た目が似るためアンデスネコと混同されることがあります。
その際の識別として、コロコロは鼻がピンク色である点が有力な手がかりとされています(アンデスネコは黒い鼻)。
黒化個体(メラニズム)も確認されています。
コロコロの分布・生息地

出典:Wikimedia Commons(ZooPro)/CC BY-SA 3.0
コロコロはどこにいる?
コロコロは、南アメリカに広く分布する小型の野生ネコです。
確認されている主な国は、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイ、ペルーで、コロンビア南西部にも周辺的に分布するとされています。
コロコロはどんな場所で暮らす?
名前は「パンパス(草原)」由来ですが、実際はかなり幅広い環境に適応します。
- 草原・半乾燥の低木地帯(シュラブ)
- 高地のプナ(高山草原)
- 乾燥した疎林、トゲ林
- 雲霧林(クラウドフォレスト)や湿地、氾濫原、マングローブ
- 岩場、寒冷な半乾燥地
チリの砂漠「アタカマ砂漠」でのも生息しているという記録もあるのだとか。
一方で、低地の熱帯雨林にはほぼいないとされます。
また、アンデス山脈では標高100m〜5,000mまで確認されています。(※ただし記録はより低標高に多いとされています。)
この動画ではパンパスネコの様子が紹介されています✨
コロコロの生態

出典:Wikimedia Commons(Keijuu)/CC0 1.0
コロコロの活動時間
コロコロは地域や環境で活動パターンが変わります。
- 高地では夜行性が多い
- ブラジルの一部では昼行性寄り
- ペルーでは昼夜どちらも動く例も(=カテメラル)
昼夜を問わず活動する性質や動物を「カテメラル」と呼びます。
一般的に動物の活動時間帯は、昼間に活動する「昼行性」と、夜間に活動する「夜行性」に大別されますが、「カテメラル」はそのどちらの要素も持ち合わせています。
「カテメラル」な活動パターンを示す動物には、以下のような特徴があります。
- 決まった活動時間がない:昼間でも夜間でも、状況に応じて活動します。
- 柔軟な生活:捕食者の存在や気温、餌の状況など、環境の変化に合わせて活動時間を調整できます。
例えば、ネコ科の動物の一部やウサギなどは、カテメラルな活動を示す代表的な例です。
コロコロは何を食べる?
コロコロは、環境に合わせて獲物を変える“機会主義的な肉食獣”で、基本は小型哺乳類+地上性の鳥類を中心に捕食します。
- 小型哺乳類:テンジクネズミ類、ハツカネズミ・ドブネズミなどの小型げっ歯類、ヤマビスカチャやヨーロッパノウサギ
- 鳥類:カモ類
- 爬虫類:トカゲ類
条件がそろうとフラミンゴを襲う例も報告されています。
また、地域によってはパタゴニアでペンギンの巣を襲い、卵やヒナを食べる観察例もあります。
一方で人里付近では、ニワトリなどの家禽や子ヤギを襲うことがあり、これが報復的な駆除につながるケースも課題とされています。
コロコロの暮らし
コロコロは基本的に地上性で、狩りも主に地上で行うとされています。
ただし、生態の研究はまだ十分ではなく、「どれくらいの範囲を移動するのか」「活動時間は固定か」などは地域差が大きいことが分かってきています。
社会性(群れ方など)も含め、まだまだ未解明な点が多い動物です。
コロコロの繁殖・子育て
繁殖に関する確かな情報は飼育下のデータが中心です。
- 繁殖期:4月〜7月(報告例)
- 妊娠期間:80〜85日
- 1回の出産:1〜3頭
- 初産の例:飼育下で2歳で初めて繁殖した記録
野生下での子育て(育児期間・独立までの詳細)は、今後の研究での蓄積が期待されます。
人との関わり

出典:Wikimedia Commons(Wyman & Sons Limited)/Public domain
コロコロの文化・信仰
地域によってコロコロは、大地や豊穣の象徴として尊ばれ、「出会うと幸運」「殺すと不幸や死が訪れる」といった言い伝えがあるとされています。
その一方で、家畜や農耕の祝福を願う儀式で、毛皮や剥製(詰め物)が用いられるケースも報告されています。
コロコロと人間の衝突
人の生活圏に近い場所では、次のような理由で対立が起きます。
- 家禽(ニワトリ)や子ヤギなどを襲う → 報復的な駆除につながる
- 犬による襲撃
- 交通事故(ロードキル)
現地の保全活動では、衝突を減らすために捕食されにくい鶏小屋(predator-proof chicken coops)の整備や、ロードキル対策としての注意喚起サイン設置などが取り組まれています。
コロコロの保全
国際取引は CITES(ワシントン条約)附属書IIに含まれ、多くの分布国で法的保護の枠組みがあります。
主に以下のような脅威が挙げられます。
- 農地化・放牧・資源開発(例:石油開発)などによる生息地の減少と劣化
- それに伴う獲物(餌動物)の減少
- 家禽・子ヤギ被害を理由とした報復的な殺害
- 文化目的/スポーツ目的の狩猟
- ロードキル、犬による襲撃、ペット取引(報告は多くない)
さらに、コロコロは分類(1種か複数種か)の整理が保全戦略に直結するため、分類研究と生態研究の追加データが重要とされています。
脅威と保全状況

出典:Wikimedia Commons(Hugo Hulsberg)/CC0 1.0
IUCNの評価では、コロコロはNear Threatened(準絶滅危惧)とされています。
ただし国ごとの状況は一様ではなく、Cat Specialist Groupの整理では、国レベルでVulnerable(危急)相当に扱われる地域もあります。
主な脅威
コロコロが直面している最大の課題は、「生息地の減少・劣化」と「人との衝突」です。
草原や低木地が、農地化・放牧・インフラ整備などで分断されると、隠れ場所と獲物の両方が失われやすくなります。
加えて、家の近くでニワトリなど家禽を襲うと、報復的に殺されるケースが起こりえます。犬に襲われることや、道路での事故も無視できないリスクです。
※分類(1種か複数種か)が整理されないと、地域ごとの個体群を守る優先順位が見えにくくなる点も、保全上の難しさとして指摘されています。
保全の取り組み
現場で効果が出やすいのは、「衝突を減らす」アプローチです。
たとえば、家禽被害を減らすための捕食者対策済みの鶏小屋の整備、地域の理解を広げる啓発、犬・猫のワクチン接種などが具体策として進められています。
同時に、カメラトラップ等で分布や個体群の状況を把握し、道路対策や生息地のつながり(コリドー)を含む、より長期の保全計画につなげることも重要です。
もし野生で出会ったら?
コロコロは希少で、ストレスに弱い野生動物です。
出会えたとしても、以下の3点に注意し、彼らが無事に暮らせることを優先してください。
- 距離を取る(近づかない・追いかけない)
- 餌を与えない(行動が変わり、事故や駆除の原因になります)
- 夜間の強いライトやフラッシュを避ける(驚かせて危険を増やします)
コロコロに関するQ&A

Q1. コロコロとパンパスネコは同じ?
一般には同じグループを指します。ただし分類は研究が進行中で、資料により“分け方”が変わることがあります。
Q2. 絶滅危惧なの?
IUCNでは準絶滅危惧(NT)です。ただし国や地域によって状況が厳しい場所もあります。
Q3. 人を襲う?危険?
基本的に人を避ける動物で、むやみに接近しない限り危険性は高くありません。野生動物なので、近づかず観察距離を守るのが前提です。
Q4. ペットとして飼える?
国際取引はCITES附属書IIの枠組みにあり、地域の法律も関わります。
倫理面・福祉面の観点からも、野生ネコを“飼う前提”で考えるのは推奨できません。
Q5. 何が一番の脅威?
生息地の改変(農地化・放牧等)に加え、家禽被害をきっかけにした衝突、ロードキル、犬の影響などが重なります。
Q6. 私たちにできる支援は?
“かわいいから拡散”よりも、保全団体の活動紹介、寄付、倫理的な観察・旅行の実践が効果的です。
読者へのメッセージ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
コロコロの魅力や、いま置かれている状況は伝わりましたでしょうか?
コロコロは南米に広く分布し、草原から山地まで生き抜く“しなやかな野生ネコ”です。
一方で、その暮らしは決して盤石ではありません。農地化や放牧、資源開発による生息地の減少・分断、家禽被害をきっかけにした報復的な駆除、そしてロードキルや犬の影響など、人間活動の影響が静かに積み重なっています。
それでもコロコロが生き残ってきた背景には、コロコロ自身の適応力だけでなく、各地の規制や保護区、研究の積み重ね、そして「衝突を減らす」ための現場の工夫があります。
野生動物の保全は、ただ守ろうとするだけでは続きません。人の暮らしと折り合いをつけながら共存の仕組みを作ることが、いちばん現実的で強い方法です。
この記事が、南米で静かに暮らすコロコロの姿に思いを馳せるきっかけになり、同時に、あなたの身近にいる野生動物との距離の取り方を見直す小さなヒントになれば嬉しいです。
